中国「新疆ウイグル自治区カシュガル、上海再び」編




Le 2 Janvier,2013 カシュガル、ブラックス水曜バザール


この日のホテルの朝食には、好物の、トマトと卵の炒め物があった。全体的には大したことの

ない朝食も、一部、好きな料理があれば、気分もまた違うものである。



午前中は、エイティガール寺院の西側を散策。通称「カシュガル職人街」。

鍛冶屋、楽器屋が軒を連ねる、というよりは、土産屋のよう。おそらく、数年前より活気も

なくなってきているのだろう。廃れ気味であった。この職人街よりも東側のほうが、より庶民の

日常を垣間見ることができて、むしろ興味深いそぞろ歩きとなった。


























近代化の波を感じたことが、ひとつ。エイティガール寺院の近くに、IHLASという、トルコ資本

のスーパーマーケットがあった。食肉はすべてハラール(お祈り済)で、他の食材も、ムスリム

系のものばかりだった。観光客にとっては、お土産探しに便利かもしれない。私も、ここで、お

土産を調達した。





午後からは、前日に続き、カシュガルの郊外へ。

ブラックス(bulaksu 布拉克蘇)という、カシュガル市からバスを乗り継ぎ90分程の所に

ある小さな村。ブラックス村では、毎週水曜にバザールが開催されるとのこと。というわけで、

ブラックス水曜バザールを目指して向かった。行き方は、また、ホテルのフロントに訊ね、

前日同様、タクシーしかない、と漢民族系の女性フロントに告げられる。そこに、前日同様、

たまたまウイグル人系のスタッフが通りかかり、彼にもう一度訊く。どうも、この彼は、バス

などの公共交通機関に詳しいようで、おかげで行き方が判った。



人民東路を西に進み、そのまま人民西路まで進み、「西域広場」という大きな交差点まで向か

う。西域広場の少し西、北側の歩道のバス停(西行き・西向き)から、4路(4番)バスに

乗車し、そのまま、終点の「疏附(県)」にひとまず向かう。

漢語で、Shufu(シューフー、シューフーシェン)と読む。

ウイグル語は、Kona Sheher(コナシャハル)。










疏附に着くと、大きな道でバスは留まり、そこで降ろされる。そのまま、反対側の歩道で

しばらく待っていると、「ブラックス (bulaksu 布拉克蘇)」行きのミニバスがやってくるの

で、それに乗れば良い。バザールがある日は、皆、そのバスに乗るので、人が多そうなところに

行き、ブラックスとか、バザールとか訊いて、頷くものが居れば、そのバスで間違いない。






さて、ブラックス村のバザールに到着。火曜バザールのヤプチャンほどの規模ではないものの、

こぢんまりしていながらも、それでも、結構な賑わいである。食材や肉の売り場は小さく、

衣料品と屋台、食堂が中心のバザールだった。純粋に食べ歩きを楽しんだ。




ウイグル名産の、ハミ瓜を試してみる。スイカとメロンの間のようなもので、果肉はオレンジ、

外皮はスイカのような緑。ウイグルもそうだが、ウズベキスタンなど中央アジア全般で、スイカ

やメロンなどの瓜系は特産物であり、大きくて歪な楕円形をしており、甘くて瑞々しくて、果実

がギュッと詰まっていて美味しい。8年前のウズベキスタンでも、散々、スイカやメロンを食べ

たことを覚えている。ちなみに、当時、スイカはどちらかといえば嫌いなほうだったが、ウズベ

キスタンのスイカが美味しすぎて、スイカが好きになったことを覚えている。しかし、冬の氷点

下においてもスイカやメロンやハミ瓜がそれなりにたくさんあることには少し驚いた。





前日同様、揚げドーナツやラグメンを食べ、他には、羊のシシカバブではなく鶏の串焼きや、

何の肉のどの部位かわからないスパイシーな串焼きをつまみ、ラクダの頭の一部の肉を、少し

だけ屋台のおっさんに食べさせてもらった。


















他に、ここで初めて食べてみて、とても印象深くおいしかったものが二つある。

ひとつは、「サモサ」。羊肉を小麦系の生地に包み、竃に張り付けて焼いたもので、インドの

サモサのようにジャガイモを生地(衣)でつつみ、揚げたものとは、全く違うが、名前は同じ。

もしかしたら、シルクロードを通じて伝わっていったのだろうか。名前は違えど、包む、という

点では、共通点がある。シルクロードの偉大さを思わせるサモサ。あたたかさ、生地のカリカリ

感、そして、なかの肉と肉汁の旨味。とても素朴な軽食なのだが、なんとも美味しかった。






そして、もうひとつは、「アッシュマンタ」。にんじんとレーズンのポロ(ピラフ)のうえに、

包子(マントゥ。餃子寄りの小さな饅頭みたいなもの)を乗せた、炭水化物on炭水化物。

包子は、小麦粉で作られた薄い皮で羊肉の餡をつつんで蒸したものであるが、これとポロを

一緒に食べると、包子の中の餡の肉汁が滲み出てきて、大変おいしい。羊肉の塊が乗っかった

ポロよりも、こちらの「アッシュマンタ」のほうが、数段美味。しかも、羊肉の乗ったポロより

もアッシュマンタのほうが安くて庶民的な食べ物ということで、大変人気がある。10元するか

否か、くらいのお手頃価格でとても満足感があった。




そして、アッシュマンタを食べた食堂の内装の壁の色(上段白、下段淡いピンクのツートーン)

や、安っぽいスチールフレームのベンチが、とても恰好良かった。今後、他の店を作ることに

なったら、空間づくりの参考にしたい、と思わせるような、何とも言えない素晴らしい内装

だった。もちろん、ただの大衆食堂で、特に何もデザインされているわけでもなく、どちらかと

言えば、きれいなほうでもないのだが、無骨な感じに、心惹かれるものがあった。










少し早く、暗くなる前に、カシュガル市に戻る。「上島珈琲」たる、聞き覚えのある名前の

店が、とあるビルの二階にあり、胡散臭そうで興味深かったので、お茶をすることに。

日本のUCCとは全く異なる、中国国内のチェーン店のようだ。元は、UCCから来ているのかも

しれないが、完全に中国化した独自の上島珈琲。ちなみに、UCCではなく、UBCだった。

Up Barrier Coffee... 上=up 島=barrier ということらしい。気軽な喫茶店をイメージしてい

たが、店内にはバーカウンターがあり、窓辺のボックス席は、白い机に紫のベロアのシート。

壁もデコラティブなアーチを描き、変なアメリカと変なフランスを足した、安っぽいファミレス

のような内装。しかし、メニューをみると、値段は高級。珈琲1杯で、屋台のラグメンが3杯

食べられるような価格。そして、洋風料理やワインのある変な店。しかし、ウイグルで、お茶を

する店には出会っていなかったので、なんだか面白い雰囲気の店を(ある意味)存分に楽しめ

た。ウイグルのバラ紅茶を飲んだ。バラの花が紅茶の茶葉にブレンドされた特産品なのだが、

香り高くて美味しいお茶だった。ポットサービスで48元もした。中国の上島珈琲は高級店

だった。







夜は、これまでとは趣向を変えて、ウイグルの中では東の地方の料理を出す店にいってみた。

ウイグル色、ムスリム色が少し薄くなり、より「中国」の要素が料理に強くなってくる。

干拌、拌面(ラグメン)、蘭州牛肉面を食べる。それはそれでおいしいのだが、やはり、

カシュガルの料理のほうが、中央アジア色の強い料理のほうがおいしいと感じた。


干拌




拌面(ラグメン)



蘭州牛肉面








Le 3 Janvier,2013 カシュガル老街、カシュガル→上海



この日が、カシュガル滞在最終日。カシュガル市内の旧市街「カシュガル老街」を散策し、

土産を探しに、再び昨日と同じスーパーへ。




エイティガール寺院の裏手の食堂の軒先に並ぶ料理が見た目にはおいしそうだったので、

入ってみたが、どの料理も火の通りが悪く、臭くて激マズだった。この旅一番の大外れ。



あまり手を付けずに退店し、他の食堂で口直しに、羊肉のスープで温まる。




最期に、初日夜に行った食堂のラグメンで、カシュガルの旅を〆。最期は、ちょっと、

バリエーションの少ないウイグル料理に飽き気味も、それでも、ウイグル料理は大変

おいしく、いい土地良い旅となった。




タクシーでカシュガル空港へ。町中から15分、50元(少し割高感)。再び、国際線の

ような移動距離移動時間の飛行機で、同日深夜、上海に戻る。








おまけ。カシュガルのホテルでみつけた変なもの。







Le 4 Janvier,2013 上海



ホテルにチェックインを済ませた頃には、日がまわっていた。1月4日は、僕の誕生日。

なんと、同行者たちから、サプライズで小さなお祝いがあった。

しかも、手作りのケーキ(がわりのもの)を、わざわざ日本からスーツケースに入れて

持ってきてくれていたみたいで、感激。ありがとう。










翌朝、地鉄1路「陜西南路」駅で下車し、向かった先は・・・

茂名南路×南昌呂の交差点を東に入って南側にある、「阿大葱油餅」

三年ほど前の、「旅」という雑誌(いい雑誌だったが、惜しくも休刊)の上海特集の

表紙にもなっていた小さな店で、腰の曲がった老人が独りで地道に営む店。

葱油餅は、簡単に言ってしまえば、おやき、のようなもの。ラードと葱を生地に折り込み、

層状にして鉄板の上で油でじっくり焼き上げるもので、よく、朝食や軽食に食べられている

ローカルフードである。地元でも人気店のようで、行列ができており、20分ほど待った。

というのも、一回で僅か10枚しか焼けないのだが、阿大さんは極めてマイペース。

ようやくありつけた葱油餅。本当に素朴すぎるほど素朴なのだが、しみじみ旨い。












陜西南路から、タクシーで、静安寺エリア、ヒルトンホテルの向かい側まで向かう。

20元。向かった先は、路地奥にある小さなローカル食堂「我家餐廳」。




上海の素朴で家庭的で庶民的な、地元の人が好む味のおかずが売りの食堂。12時もまだ

まわっていないのに、結構な賑わいようであった。みんな、サクッと食事を済ませては

出て行き、またどんどんお客さんが入ってくる、回転率の高い食堂。

我々三人は、濃厚な味の「牛肉のオイスターソース炒め」と、

あっさり仕立ての「イカとセロリの炒め」、

中華らしい組み合わせの「卵とトマトのスープ」、

生姜や唐辛子ではなく胡椒の効いたあっさりとした「麻婆豆腐」を頼んだ。

どれもご飯が進む、とても良い味付けの、本当におすすめの食堂で、旅の最期に大満足。

三人で99元、僅か1,500円、ということは、ひとり500円。












ここからタクシーで、「老西門」エリアに向かった。25元程度。昨年も旅の最期に立ち寄った

「東台路古玩市場」へ。いわゆる、骨董通り。時折、かっこいいアンティークもある。


















かと思えば、観光客相手の代物も多い。昨年は、いつの時代か判らないくらい古い、

AV女優時代の飯島愛のトランプが売っていたが、今年も飯島愛トランプは健在だった。

ただ、今年は、蒼井そらトランプも新たに加わっていた。





露店を冷やかしながら歩き、アンティーク通りに面していた中国茶の店で、

茶盤、茶匙、蓋碗、茶海、茶葉といった中国茶道具を買い足した。

たくさん買ったわりには、僅か200元(3,000円程度)。大満足の買い付け。






古玩市場を後にして、同じ老西門エリアにある「老街」(奇跡的にまだ残っている昔ながらの

上海の街並みのこと)を、足早に散策。とくに、「夢花街」という通りの界隈が、

街並みに味わいがあって、ノスタルジックなそぞろ歩きにおすすめの場所である。


















昼過ぎに、タクシーでリニアモーターカーの駅に向かい、リニアで上海浦東国際空港へ。

同日夜、帰国。中国の大都会と、中国らしくない中国の両方に触れた、良い旅となった。














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コメント
はじめまして

読んでいると心が異次元?に入り込んでしまう感じがしています

特にお写真が素敵なのですが まるで絵具で描いた様な風情があります

どうしてそうなるのか不思議です
  • ピコリーナ
  • 2013/11/05 9:03 AM
ピコリーナさん

長くコメントに気がつかず、今頃になって、大変申し訳ございません。嬉しいコメント、ありがとうございました。

写真は、全てiPhoneで撮っていますが、一眼レフで撮るときの撮り方やポイントを応用しながらとっています。多少加工は施しておりますが… 技術技法より、被写体の捉え方、探し方に尽力しています。いい風景、光景に出会えるよう、常にアンテナを張っています。

いまは、ウイグル、行きにくくなってしまったのが残念です。
  • jajouka
  • 2015/01/25 6:22 PM
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